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英文読解講座 [新装復刊] [英語の勉強]

本書は英文が読めるようになりたい方のための、独習用英文読解力養成講座である。駿台予備校の名物講師による講座と雑誌『高校英語研究』への連載記事をまとめたもので、大学受験英語参考書の名著といわれていた。その名著が復刊した。

英文読解講座 [新装復刊]

英文読解講座 [新装復刊]

  • 作者: 高橋 善昭
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2010/06/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

大学受験英語参考書の名著

私が受験生時代は、東大受験で英語を得点源にしたい人向けの本とされていた。名著だが、当面の受験のためには本書は高度すぎるため、読むのは大学合格後のお楽しみとも言われていた。いずれにしろ、本書の内容は、大学合格レベルを越えているという意味に理解していいだろう。

英文の形にこだわる

英文は単なる単語の集合体ではなく、一定の規則に基づく構造体である。英文の形にこだわって読むことによって、構造を認識することができる。

本書では、英文の形にこだわり、ある形がどのような読み方を指示しているのか、ある形に対してどのような形が継続し得るのか、さらに、ある形がどのようにして生まれてくるのかを明らかにする。

形にこだわって読むことで、英文の正確な読み方が身につく。やがて形を忘れて、英文の内容に直接迫まる読み方が可能となる。これが英文を読解するということ。

英文読解のためには、形にこだわることは、必ず通らなければならないと同時に、必ず越えなければならない過程でもある。

英文の形にこだわるとは

英文の形にこだわるといっても、何のことかイメージがわかないかもしれない。たとえば、英文を読む際に、次のような意識を持つことをいう。

・冠詞が見えたら、それと組んでいる名詞を探して読むこと(本書2ページ)。
・前置詞が見えたら、その目的語となる名詞を探す気持ちで読む(本書2ページ)。
・動詞のto不定詞形が「…すること」の意で主語となることがある。ただし、その場合には、後続する述語動詞に対する主語がないことが条件(本書3ページ)。

英文の形にこだわるのは、英文の構造を読み解くためである。たとえば、第5文型(SVOC)の場合、Cはto不定詞、-ing形、過去分詞、形容詞、名詞など、さまざまな形をとるが、いずれの場合にも、OとCの間には、SとVの関係があり、これが英文の構造となっていることを明らかにする。こうして、OCはSVという基本構造の変形に過ぎないこが理解され、英文の構造が読めるようになる。

本書の対象者

本書で例題に扱われている英文は論説文が中心。内容は、英米でもインテリ層が読むような知的なものがほとんど。社会人が、ビジネス英語のリーディング力を身につけるには、本書が示す英文読解の方法も、英文の内容も、少々高度すぎるのではないかと思う。

ただ、私自身、ビジネス英語のリーディングに多少とも自信を持っているのは、本書を通して、正確な英文の読み方を学んだことが基礎になっている。リーディングの底力をつけたいと思われる方には、ぜひお勧めしたい本である。

なお、本書を読むに当たっては、英文法について一通り知識があることは最低限必要。具体的には、総合英語Forest 6th editionなどの高校生向けの英文法参考書を1冊仕上げておけばいいのではないか。

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